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第二章:意味の審判者たち

アオは、この謎語を救うため、言葉の魂の故郷である大いなる泉へと向かった。

そこには、意味を司る「審判者」たちがいる。


まず初めにアオが会ったのは、【謎(なぞ)の審判者】。

全身が霧のようにゆらめき、その声は洞窟の奥から響く反響音のようだった。

​「その言葉は、私の子だ。言葉とは本来、頭を使って解くべきパズルであるべきだ。人を試すために生まれた。すべてを語らず、すべてを問いかけるのがその役目。しかし、『まいご』だと?感情で迷うなど、本来の役割ではない。」

​審判者は、言葉の曖昧さを「試練」として捉え、感情的な「迷い」を否定した。

​「この子は、あなたの言葉に…、その考え方に魂が引き裂かれたのです! そんなものは試練でもなんでもない!ただの苦悩です!」

その傲慢な言葉に対し、思わずアオは反論した。

「言葉が居場所を失うなど、ありえぬ。それは、真理を導くための試練だ。ならば、ただのなぞの言葉の『めいご』に戻せばよいだけのこと」

謎の審判者はこれだけ伝えると、話すことは何もないというように固く口を閉ざし、アオが何を言っても開くことはなかった。


次に、アオは【迷い(まよい)の審判者】、と呼ばれる、常に目を閉じた老人に会った。

彼の声は優しく、非常に穏やかだ。

​「まいご…? その響きは私の子供の印だ。言葉とは、心の状態を正直に表現し、助けを求めるためのツールであるべきだ。理屈で隠したりすべきではない。」

と言った。

迷いの審判者は、言葉の感情的な側面を重視するが、「謎」の持つ論理的な側面を拒絶したのだ。

「旅人や幼子には、立ち止まり、助けを求めることを教えてきた。しかし、隠すなどと言うことは全く教えていない。私の子供は正直に助たすけて!と叫ぶはずだ。ただの道に迷った者に戻してやれ」

それだけ言うと、迷いの審判者も口を噤んでしまった。


​どちらの審判者も、この言葉が持つ二つの意味の共存を認めない。

彼らにとって、言葉とは単なる役割であり、感情ではないのだ。

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