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第三章:第三の名前と共存の音

「さて、どう解決したものか…」

アオは頭を抱えながら、シマの街の、言葉が生まれる場所とされるコトノハの木の下に戻ってきた。

​彼は言霊をそっと撫でながら、君は、どちらの親にも受け入れてもらえないのか…、と呟いた。

その時、ふと、​アオは考えた。

ナゾは答えを探し、マイゴは居場所を探す。

二つは相反するようで、実は深く繋がっているのではないか?

ならば、これでどうだ。

​ペンをとり出すと、コトノハの裏に、言葉が持つ真の望みを書き記した。

​「吾は問う者。吾は探す者。

答えがわからぬから、彷徨う。

居場所がわからぬから、問う。」

​そして、アオは「謎語」に、両者を受け入れる第三の名前を授けた。

​「君の名は… 『問い路(といろ)』だ」

​アオがその新しい名前を呼んだ瞬間、コトノハは静かに光を放った。

​問い路…道を問うという意味。

​その光の中で、謎語の魂は、ついに安定した。

二つの迷子の音は融合し、一つとなり、共存の音に変わった。

​それは、答えのない問いの中にこそ、進むべき道があることを示す音。


アオは知った。

「まいご」は、読む人、使う人の心の中で、新しい意味の親を見つける。

そして、その新しい名前とともに、世界に存在するすべての曖昧さ、不確実性、そして問い続ける勇気を象徴する言葉として生き続けるのだ。

​「さあ、お帰り。キミの進むべき道が見つかったよ」

​アオは問い路となったコトノハをそっと空に放した。

それは光の粒となって、世界の言葉の海へと溶けていった。


言葉は、いつだって、誰かの心に宿る読み方によって、何度でも生まれ変わるのだ。

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第二章:意味の審判者たち

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